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監査法人の就職活動 — 論文式試験後の採用サイクルと法人選びの視点

公認会計士試験の合格者の多くは、最初のキャリアとして監査法人を選びます。実は、監査法人の就職活動は一般的な大学生の就活とはかなり様子が異なります。この記事では、論文式試験後の採用サイクルや法人選びの観点を、一般論として紹介します。

監査法人の就活は「短期決戦」

監査法人の採用活動は、論文式試験の終了後から合格発表の前後にかけて、短期間に集中して行われるのが一般的です。おおまかな流れは次のようなイメージです。

  1. 論文式試験の受験(例年、夏に実施)
  2. 試験終了後、各法人の説明会やイベントが始まる
  3. 合格発表の前後に採用選考(面接など)が本格化
  4. 内定後、冬から順次入所

年度によってスケジュールは変わるため、受験する年には各法人の採用サイトや公認会計士協会関連の情報を早めに確認しておくことをおすすめします。一般企業の就活と違い、選考期間が数週間程度に凝縮されることも珍しくないため、「試験が終わってから考えよう」では出遅れることがあります。

売り手市場でも「準備した人」が選べる立場になる

近年の監査法人の採用は、景気や合格者数の動向によって変動はあるものの、比較的売り手市場の傾向があると言われることが多いです。ただし、それは「どこでもいいなら入れる」という話であって、「行きたい法人・行きたい部署に入れる」こととは別問題です。

人気の高い事業部や、採用人数の少ない中小監査法人を志望する場合には、それなりの準備と自己分析が必要になります。

法人選びの観点 — 大手か、中小か

監査法人は、いわゆる大手監査法人(Big4系と呼ばれることが多いグループ)と、準大手・中小監査法人に大別されます。それぞれの一般的な特徴を整理してみましょう。

観点大手監査法人準大手・中小監査法人
クライアント大規模な上場企業やグローバル企業が中心中堅上場企業やオーナー企業なども多い
業務の関わり方チームが大きく、担当領域を分担しやすい少人数で幅広い勘定科目を担当しやすい
研修・教育制度体系的な研修が整っている傾向OJT中心で早くから任される傾向
キャリアパス海外駐在や専門部署など選択肢が多いパートナーとの距離が近いと言われる

どちらが良いかは一概には言えず、「大企業の監査を経験したい」「早くから幅広く任されたい」など、自分がどんな経験を積みたいかで選ぶのが基本です。

このほか、次のような観点も判断材料になります。

  • 担当したい業種(金融、製造業、IT、パブリックセクターなど)
  • 勤務地・事務所の所在地
  • 非監査業務(アドバイザリーなど)への異動のしやすさ
  • 法人の雰囲気や一緒に働く人との相性

面接で見られること — 一般論として

監査法人の面接は、すでに難関試験を突破した(またはその見込みのある)人が対象なので、学力を試す場ではありません。一般に、次のような点が見られると言われています。

  • コミュニケーション力 … 監査はチームで行い、クライアントへの質問も多い仕事です。質問の意図を理解し、簡潔に答えられるかが見られます
  • 志望動機の一貫性 … なぜ会計士か、なぜこの法人か、を自分の言葉で語れるかどうか
  • 素直さ・学ぶ姿勢 … 入所後は覚えることの連続です。謙虚に吸収できる人かどうか
  • ストレス耐性・体力面 … 繁忙期のある仕事なので、無理なく働けそうかという観点

特別なテクニックよりも、「この人と一緒に働きたいか」という素朴な視点で見られていると考えると、対策の方向性が定まりやすいでしょう。

受験生のうちにできる準備

  • 説明会やインターン的なイベントの情報を早めに集めておく
  • 「なぜ会計士を目指したのか」を一度文章にしておく
  • 法人ごとの特徴を比較するメモを作っておく

こうした準備は勉強の合間に少しずつ進められますし、志望動機の整理はモチベーションの再確認にもつながります。

まとめ

  • 監査法人の就活は論文式試験後から合格発表前後にかけての短期決戦です
  • 大手と準大手・中小では経験できることが異なり、優劣ではなく相性で選ぶのが基本です
  • 面接では学力よりもコミュニケーション力や志望動機の一貫性、人柄が見られると言われます
  • 採用スケジュールは年度により変わるため、受験年には各法人の公式情報を必ず確認しましょう

試験勉強が最優先であることは間違いありませんが、その先の景色を少し知っておくだけで、勉強の意味づけが変わってきます。